クレジットカード業界情報

交通系やメーカー系が次々とクレジットカード事業に参入

近年業績を伸ばしているのが、交通系やメーカー系のクレジットカードです。その多くが 80年代前半以降に設立しているのですが、ときはまさに 国民の消費意欲が旺盛なバブル経済に突入する時期でした。多数の顧客を保有していた彼らでしたから、新規参入すれば必ず収益が見込めると判断したようです。また、銀行系や流通系クレジットカード各社が受託業務を始めたことも カード業への進出を後押ししました。

 

交通系の例としては、84年設立のJALカードがあります。マイルが貯まることが特長ですが、キャッシングはできません。親会社の業績悪化により、08年に三菱東京UFJ銀行に売却されています。メーカー系の例としては、トヨタファイナンスです。トヨタ自動車の財務部が分離独立して88年に発足しました。

 

他の第三勢力としては、86年発足の高島屋クレジットがあります。高島屋でのカードショッピングで8%という高いポイント還元率を提供しています。08年にビザブランドを導入したのが、88年設立のエムアイカードです。旧伊勢丹カードとなりますが、以前は系列店のみで使用可能なハウスカードでした。

 

流通系と提携しているのが、出光クレジットです。石油元売り大手の出光興産と 雄・クレディセゾンが50%ずつ出資していて、カード業務はセゾンに委託しています。複数のカードを発行しているのがビューカードです。スイカカードやルミネカードなどがあります。

クレジットカード事業へ進出するメリットとは

第三勢力のクレジットカードが設立したのは、銀行系の発足から十数年後のことでした。銀行系では業務のシステム化が進み、長年にわたる投資の回収が課題となる中 システム自体を売り物にすることを考えます。そしてカード業務全般を請け負う受託業務を始めたわけですが、巨額の投資なしに参入できることから 交通系やメーカー系などの進出を促しました。また、小売業が親会社の店舗に集まる利用者を対象に進出し急成長しているのを見て、自社の顧客情報を活かしてさらなる商品の販売に繋げられないかとも考えたようです。

 

クレジットカードの最大の強みは、個人情報を蓄積できることです。利用者の懐具合や購買動向などを把握できるわけで、これを使わない手はありません。また、会員獲得は知名度が生命線となるので、業界最大手の各社にとっては有利に違いないでしょう。例えばトヨタは、自動車販売だけではなく住宅販売やレンタカーといった展開もするなど 事業の裾野は幅広いです。決済はすべての事業に共通することから、豊富な資金力を背景に急成長しているのもうなずけます。

 

情報は整備されてこそ初めて武器となります。銀行系では今 銀行本体での発行が増加しつつあるのですが、これまでの子会社では情報の共有が許されず本体業務に取り込めなかった欠点を見直したと言えるでしょう。